太気拳至誠塾・大阪 拳法ブログ ドラゴンへの道

太気至誠拳法(太気拳)を修練する団体・・太気拳至誠塾・大阪の練習風景・・練習内容をつづったブログです。

猛獣と小動物

先月は両手・両足・身体を同時に使うシングルタスクではなく
右脳・左脳・前頭葉等、脳全体や・・・各神經をフル活用し
手・足・身体をバラバラに思いのままに動かし
相手を翻弄する、脳のマルチタスク的動作をしました。
それは前回記事に書いた通りです。

この時の練習で昇段者が有りました。

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彼は相当数の年月をかけて奥入(おくいり・初段)に
昇段されました。
お酒で例えるなら、低温でじっくり発酵させた「吟醸酒」です。
決して無理をすることなくマイペースで地道に精進されました。
きっと「吟醸酒」の様に、果物の様な、深い味わいがある
コクとキレのある太気拳に成長されたと思います。
Nさん、おめでとうございます。
これで義への入り口に立ったのです。
これから更に、沸々と熟成させて
Nさんらしい深みのある太気拳を練って行って下さい。
焦る必要は無いのです。
じっくりと学び続け、熟成させ続けることです。



この日の練習では、マルチタスク以外にも
素晴らしい御享受が有りました。

塾生の一人から
「先生の還暦組手の映像を何度も拝見しましたが、
本当に素晴らしい!・・・
先生は、27人連続して戦ったにもかかわらず、リラックスしていて
スムーズに動き、相手を圧倒している・・・
探手や動きの一端だけでも御享受頂けたら・・・」と、
嘆願が有りました。

優しい高木先生は、リラックスしたスムーズな動きの基礎の
レクチャーして下さいました。

その一つに足の角度が重要であるとの話がありました。

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まず組手の様に、構えて見せたのですが
この時点で塾生と先生では、大きく体勢が異なります。
塾生は安定しているものの、自然に前に出れる体勢ではありません
先生は、隙あらば前に出て攻撃も出来るし、後退も出来る。

つまり足の角度が重要であるとの事です。

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これに対して塾生は

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足の角度が(腰の角度?)がだいぶ違います。

塾生は、しいて言うなら小動物と同じです。
例えば
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リスのこの足の角度が似ているかと思います。(笑)

対して先生は、

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脱力し歩を進めた瞬間ですが
例えるなら、猛獣と同じです。

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ね、似てるでしょ!!

手といい足といい・・・

そう、高木先生の動作は、猛獣が力を開放して伸びる様にして
獲物に襲いかかる動作に似ているのです。

太気拳は膨張と収縮で例えて表現されますが、
膨張する為には、収縮の状態が無ければ
それ以上膨張する事が出来ません。

かと言って縮こまっているのは収縮ではありません。

収縮時リラックスしていて、脱力し無足になった時に、
俊敏に動作(膨張)出来る状態にある事が大切です。

高木先生が27人連続で休む事無く戦い続ける事が出来たのも
そこに秘密があるのです。

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普通 組手を一人相手するだけでも息が上がり
相当のスタミナを消費します。

還暦を迎えた高木康嗣先生が27人連続で
一発ももらうことなく戦い続ける事が出来たのも
力まず常にリラックスし、
前進後進も瞬時に反応出来る状態にあるからこそ・・・なのです。